心理カウンセラーの井上です。私が若かった20年ほど前は、「うつ」や「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」といった言葉はほとんど聞きませんでした。特にうつはここ最近頻繁に耳にする言葉だと思います。
厚生労働省の調べによれば、1999年から2005年までのたった6年間で、うつ病患者は約2倍に増えた。
「なぜうつ病の人が増えたのか」より引用
6年間で2倍って普通じゃないですよね。他の病気ではまずあり得ません。
この本には、客観的なデータを元にうつ病が急激に増えた理由が書かれています。何より凄いと思ったのが、著者の方が特定の利害関係に囚われること無く書かれていて、とても人間的な観点から打ち出されていると感じました。
アマゾンにも次のようなレビューがあります。
大変勇気のある本である。敬意を表する。
うつ病増加は「病気作り」「病気の押し売り」のせいだということを、きちんとデータを示しながら論証する。
専門職向けではなく、一般向けなのでわかりやすいです
他にも次のような事を、一般の方向けにわかりやすく書かれています。
- なぜ薬と休養を勧めるだけでは、うつ病対策は不十分なのか
- 抗うつ薬の国際的なデータから見た客観的な効果
- 製薬会社が営業活動に最もお金をかける理由
- 日本では軽症うつ病の人に対しても、すぐに抗うつ薬が使われる理由(英米どちらも軽症の人には薬は勧められていない)
- メンタル休職を減らすための実践的な方法
- 身近な人がうつになった場合の具体的な関わり方
本書には1999年からうつ病患者が急激に増えたとあります。その原因が恐ろしく客観的に書かれていて、読んでいてそりゃ増えるわなと感じました。
同時に私自身がカウンセラーになりたいと思ったのがほぼ同時期(2001年)なのです。そのきっかけはプロフィールページにも記載してますが、社会の流れも少なからず影響しているとも思います。
この本を読んで、「周りがどうか・どう思うか」も大切ですが、それよりも「自分はどうしたいか・どう思うか」を改めて大切にしていきたいと感じました。
SSRIを10年以上服用している自分にとって、目からウロコでした。SSRIをやめられる日が来ます様に。読みやすく、決して買って損はないです。
アマゾンのレビューより