心理学の実践方法

眠れない時にストンと安眠する方法5つ

2014年9月9日


布団に入ってもなかなか寝付けなかったり、夜中に何度も起きたり、ぐっすりと眠れない時はしんどいものです。

眠れないと、「明日の仕事や予定に差し支えてしまう!」と焦ってますます眠れなくなったりします。質の良い睡眠が取れないと、体を充分に休められず疲労がたまっていったり、集中力が落ちたり、大事な場面で100%の力が発揮出来ないこともあります。

今回は、疲れをしっかりと取るために簡単に出来るぐっすりと安眠する5つの方法を紹介します。

photo credit: mfhiatt via photopin cc

安眠するために必要なこと

特に責任感が強かったり、真面目な方、とても一生懸命に物事に取り組まれる方が眠れなくなる傾向が強いです。

何かが強く気になって夜になっても緊張が続いたり、「今日はあの人にああ言ったけれど、こう言っておけばよかった・・」と気になって仕方なかったり、神経が高ぶって眠りにくくなります。

集中したり、緊張したり、活発に動いているときには、自律神経のなかの交感神経が活発になります。通常夜になれば、自律神経のなかの副交感神経(安心・リラックスしているときに活発になる神経)が働きます。副交感神経優位になれば眠れます。緊張したり、安心出来なかったり、興奮していたり、交感神経優位だと眠れません。

眠るためには、要は副交感神経優位のリラックスした状態を作れればいい訳です。

ただ、リラックスしようリラックスしようと頭で思ってみても、なかなか出来るものではありません。

ところが理屈抜きで簡単にリラックス出来、安眠出来る方法があります。それをこれから紹介します。

1 神経を休める環境作り

副交感神経優位となる落ち着ける環境を作るために出来る簡単な方法が、間接照明です。

実際に子供がいる私の友人は、間接照明を導入してから

蛍光灯の時は夜も子供が元気に騒いでなかなか眠らなかったが、間接照明にしてから寝る時間が早くなった

と言ってます。

一般的な天井からの蛍光灯はとても明るいですが、同時になかなかリラックス出来ない、副交換神経優位になりにくいものです。間接照明を使うと下の写真のような穏やかな感じになります。

柔らかな光で部屋を照らしている間接照明の写真

導入はとても簡単で、費用も安いもので2~3000円からあります。

私自身はIKEA NOTフロアアップライト/読書ランプの間接照明を10年以上使っています。

IKEA NOTフロアアップライトの写真

感想としては、もう蛍光灯・上からの照明には戻れません。部屋の上からの蛍光灯自体を、最も穏やかな光の電球色にしたこともあるのですが、間接照明のほうが段違いに落ち着けます。この明かりだけで本も充分に読めます。

電球は、すがすがしいさわやかな光の「昼光色」よりも、落ち着いた穏やかな光の「電球色」のほうがリラックス空間を作り出してくれます。

間接照明は、「夜は暗いもの」という自然の流れを使いながらリラックスしようと思わなくとも、リラックスを作れます。

次に、さらに手っ取り早く出来る方法を紹介します。

2 嗅覚に働きかける

眠れない時に嗅覚に働きかけると効果的なのは、理由があります。

それは嗅覚はとてもシンプルで、言葉や理屈は関係ないからです。嗅いでみて「いい香り!」と思うのと、「嫌な臭い・・」と思うのには理屈も何もないですよね。

なのでどんなに何かが気になっていようと、嗅覚に働きかけると非常にシンプルにリラックスを作ることが出来ます。

眠れない時・リラックスしたい時には、世界中で使われている アロマオイル・ラベンダー が効果的です。

爽やかな緑と紫のラベンダーの写真寝る前にオイルをテッシュに2.3滴垂らし、そのティッシュを枕元に置いておくだけなので簡単に出来ます。

アロマは本当に理屈無く眠くなります。私も講座で講師をしているときに、アロマオイルを使ったハンドマッサージをすることがあるのですが、やり方を伝えながらもラベンダーの香りで眠気を誘われます。

普通講師をしているときは、緊張・集中しているので眠くなることなどまず無いのですが、アロマだけは特別です。

3 聴覚に働きかける

アパート暮らしをされたことがある方は、

「隣の部屋の話声・TVの音がして眠れない!」

という経験をされたことはないでしょうか?

人が、「安全かどうか」を判断する上で、音はとても大きなウェイトを占めます。

カミナリや救急車の音、ガラスが割れる音などがすると眠れたものではありません。そして音で危険を察知出来るのであれば、逆に音で安全を感じてリラックスすることも出来ます。

効果的にリラックス出来る音や音楽として、海の波の音、小川のせせらぎ音、鳥のさえずりなどの「自然音」を聞くとα波(アルファ波)が出ることが実証されています。アルファ波はリラックスしているときに流れる脳波です。

最近では、自然音のみのCDも多く売られています。私は海の波の音が落ち着けるので、波 ニューカレドニア(DVD付) のCDを使用しています。


エメラルドグリーンの海と真っ青な空の写真

落ち着ける音は人によって違うこともあるので、自分自身が落ち着けると感じられる自然音や音楽が一番です。

使い方としては、眠れないときに布団に入って横になって聴くのもよいですが、寝る2.3時間前からこのCDをかけて、寝る体制を作っておくと効果的です。

間接照明にしても、音楽にしても寝る直前に寝る体制を整えるのではなく、あらかじめ寝る体制を整えて、自律神経をクールダウンさせていくことが大切です。

夜や寝る前にロックなどの激しい音楽を聞くと、必然的に神経がヒートアップして眠りにくくなります。

眠れない方は、是非音にも気を配ってみて下さい。

次に眠れない時にさらに簡単に出来る方法を紹介します。

4 呼吸でリラックスを作る

眠れない時は、リラックス出来ていないときでもあります。神経が高ぶったり、何かが気になったり、興奮している時の呼吸は通常よりも早いです。

リラックスしている時の呼吸は、自分で意識して作っていくことが出来ます。眠れないときは、まず息をしっかりと吐きます。しっかり吐くと自然と大きく息を吸います。

息を深~く吐く、ゆっくりと吸う という動作を布団の中でやってみて下さい。深い呼吸は体のリラックスを作り、眠りを促されます。

スポーツ選手が緊張しているときに、息をしっかりと吐いて呼吸から緊張を取ることは多いです。呼吸でリラックスを作る方法は、最も簡単に出来る方法ですので、眠れないときに是非やってみて下さい。

5 日中動く

当然ですが、日中体をしっかりと動かせばそれだけ疲れて眠くなります。

30分程度のウォーキングやジョギングが出来ると最適ですが、なかなか時間を取りにくい方もいらっしゃると思います。

運動の時間が取りにくいときには、普段の生活で出来るだけ階段を使う、少しの移動は車を使わずに歩いたり自転車を使うといった出来ること、やれることをやっていくのがベストです。

まとめ

  1. 神経を休める環境作りとして間接照明を使う
  2. 嗅覚に働きかけて安眠する
  3. 聴覚に働きかけて安眠する
  4. 呼吸でリラックスを作る
  5. 日中動く

神経質症の治療で世界的に有名な森田療法を提唱した森田正馬さんは、こんな風に言っています。

神経質が不眠を恐れるのは、不眠が苦しいのではない。そのために仕事の能率が上がらないのを悩ましく思うがためである。

眠れなくて悩む方は、とても真面目で繊細な方が多いです。ご自身のより良いパフォーマンスを発揮していくために、眠りにくい方は是非上記の方法を実行してみてください。

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  • この記事を書いた人

井上 隆裕

ジョイカウンセリングスクール代表。福岡にて心理学・コミュニケーションセミナー、心理カウンセリングを実施。2004年よりプロとして活動してます。プロフィール

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